素材のはなし | くぼさんのとうふ

くぼさんのとうふの素材

大豆

大豆につきましては、当店は長野県・富山県で栽培された特別栽培大豆を中心に国産大豆を100%使用しております。

※長野県認証特別栽培大豆の基準
 農薬使用回数(延べ有効成分数)7回以下(殺菌剤2回・殺虫剤3回・除草剤2回)
 化学肥料(窒素成分量)10aあたり1.5kg以下
※富山県認証特別栽培大豆の基準
 地域の慣行栽培よりも農薬・化学肥料を5割以上削減して生産した大豆

ナカセンナリ大豆につきましては、長野県浜農場で真心こめて栽培された特別栽培大豆(農薬使用1回のみ)を使用しております。

● 黒豆・青豆について
黒豆は慣行農法で作られた香川県産の黒豆を使用しております。
青豆は慣行農法で作られた国産の青豆を使用しております。

● 大豆のこと
中国から伝来した豆腐、日本に来て約千年の歴史を経た伝統食品のひとつですが、50年ぐらい前から近代化路線を進めてより早くたくさん作ることとを良しとした大型工場による大量生産へと移行しました。
同時に便利な化学合成添加物の使用が増え味の画一化が全国で進み、食文化としても貴重な地方色豊かな豆腐とその加工品が現在も消えつつあるのが現状です。

輸入大豆の使用量が増えて国産大豆の自給率は5%前後となっています。
輸入大豆で一番多いのはアメリカ産です。
アメリカは約100年前に家畜の飼料用として大豆栽培を開始し、大豆に油分のあることがわかると大豆油の生産も加わりますが、家畜の飼料用と大豆油の二点だけの商業穀物として生産されました。

一方、日本では一千年もの間、大豆と向かい合い(豆腐、納豆、味噌、醤油、きなこ等)と様々な加工で食卓を潤し、脈々と受け継がれてきました。
これは長い年月で培ってきた日本人の叡智であり世界に誇れる食文化です。

私が国産大豆に切り替えたのは1970年頃から全国で頻繁におきた日本猿の奇形からでした。
淡路島のモンキーセンターでは当時8割の確率で奇形猿が生まれており主な原因は飼料として与えていた輸入大豆や小麦のポストハーベスト農薬にあることがわかり、投与をやめると1割にまで減少した、と生態観察をしてきた中橋実氏から聞きました。
大谷英之氏の「奇形猿は訴える―人類への警告」写真集を見た時のショックは強く残っています。

海外の大豆との比較では国産大豆の方がタンパク質、糖質が共に高く、豆腐加工には理想的な成分ですが国産大豆にも多くの品種があり、産地間でも違いますので五感を駆使して選ぶことが大切です。

私共では幸運にも大豆(浜農場)とにがり(土佐のあまみ屋)の良い生産者に恵まれました。
両社ともに良い食品づくりの会員です。



にがり

にがりにつきましては、当店は高知県幡多郡黒潮町佐賀・土佐のあまみ屋の完全天日干し天然にがりを使用しております。

通常の火を使って煮出す釜炊き製法ではなく、土佐のあまみ屋さんは、1982年から一貫して天日干しで作り続けている、日本でも数少ない存在です。
太陽と風だけで、2~3ヶ月かけて海水を結晶させているのです。
まさに天候次第ですので、作れる量も通常の釜炊きの場合と比べると、格段に少なくなります。
また、季節によって結晶の大きさや味が微妙に変化しますので、梅雨の時期や台風の時は結晶の成長も一時的に成長を止めてしまいます。
そんな時は、お日様が顔を出すまでひたすら待っているそうです。

普通のにがりだと、お世辞にもおいしいとはいえませんが、土佐のあまみ屋さんのにがりは舐めてもおいしい!のですから驚きです。
当店では、この土佐のあまみ屋さんの天然にがりを感謝して使用させて頂いております。



● 凝固剤のこと
現在よく使われている豆腐用凝固剤は大きく分けて下記の5つです。

【硫酸カルシウム】 にがりと同等の歴史があり古くから使用されている凝固剤。
天然石膏の時代にヒ素混入事件があり現在では化学石膏となっている。 【塩化マグネシウム】 精製された純度の高いにがり。 【グルコノデルタラクトン】 昭和37年に開発された添加物で、酸味料やpH調整剤にも使用される。
豆腐用凝固剤ではにがりより作りやすいが酸による凝固のため酸味が後に残る。 【粗製海水塩化マグネシウム】 粗製海水塩化マグネシウムとは天然にがり(海水にがり)の事です。
塩作りの方法は天日で作る天日塩・釜炊き塩・イオン交換膜透析法とがあり、その副産物としてにがりが得られます。
私共が使用しているのは天日塩のにがりで海水には60種類以上のミネラルがバランスよく残っていますので現代病であるミネラル欠乏症の一助にもなります。 【乳化にがり】 乳化にがりとはにがりを乳化剤でコーティングしてあるもので、成分は塩化マグネシウム42%、植物油脂28.42%、水28%、グリセリン脂肪酸エステル1.5%等から作られた合成添加物です。
技術が無くてもにがり豆腐が簡単に早く作れることで大手メーカー中心に導入しておりますが、グリセリン脂肪酸エステルや原料のわからない植物油脂の添加された乳化にがりを使用し、それが消泡剤無添加にがり豆腐で販売されるのには違和感を感じます。


今後、乳化にがり使用製品が増えると思いますが消費者に分かるような表示義務が必要と考えます。

水は水道水ですが、イオン交換による純水に近い水を使用しております。

厳選された素材本来の味を“ひきだす”という考え方で豆腐作りをしてしていますので、水は素材本来の味を邪魔することの無い安心安全な純水に近い水を使っています。

その他

製造過程において、消泡剤・膨張剤等の化学合成添加物は一切使用しておりません
通常の豆腐の製造過程において一般的に使われている消泡剤の替わりに、当店では昔ながらの米糠を使用しています。



● 消泡剤について
現在一般的に使用されている消泡剤の種類は下記の3つです。

1.高酸化油系消泡剤:主に油揚げ用生地づくりに使用されます。
2.グリセリン脂肪酸エステル:一番多く使用されていて、消泡効果以外に防腐効果と品質改良や歩留りの向上などがあります。
3.シリコーン樹脂系消泡剤:上記の1と2は一次消泡剤として使用されますが、シリコーンは主に煮沸後の二次消泡として使用されます。

消泡剤のなかった時代の豆腐屋さんは大豆サポニンの作用で煮沸中に出る泡をどう抑えるかが最大の課題で、各々が創意工夫をしていましたが、瞬時に泡を消してくれる便利な消泡剤の出現でこの消泡剤が広く使用されるようになりました。
消泡剤の開発で大量生産がはじまり、どこで買っても無機質な味の豆腐が全国で出回り始めたのもこの頃です。

私共では30年ぐらい前から消泡剤の代わりに米糠で泡を抑えながらゆっくりと時間をかけて炊き上げる方法を取っており、また煮沸後の泡はすくい取ることを続けています。

やり始めた頃は、炊いている釜から吹きこぼれたり、泡が飛んできて火傷をしたりと大変でしたが、完成して出来上がった豆腐に美味しさがあったので救われました。

抑泡に米糠の使用は先人の知恵として昔の文献にも出ており、私はそれを再現したまででして、納豆にごはん、きなこにごはんが合うように、米と大豆は栄養的にもお互いが補い合って味の向上にもなり、まさに一石二鳥を先人から学び受け継いできました。


そもそも泡とは、本来、灰汁(アク)ですので料理の基本通り、とらないといけません。

消泡剤で泡を消すことは灰汁(アク)が豆腐に混入して灰汁入り豆腐となり、また消泡剤を使用するとにがりが余計に多く入りますので豆腐の味がくどくなります。

近代化は結構なことですが、味づくりにおいて何か大切な事を置き忘れたように思います。



● 油揚加工品と惣菜類に使用する食油について

食油は、昔から伝わる圧搾法(押して潰して油を搾り取る製法)のごま油、なたね油を使用しております。
圧搾法の油は生産効率も悪く、価格も高いのですが、何より安全でおいしいのがうれしく、使用しております。



● 油揚加工品と惣菜類に使用する調味料について
調味料も化学調味料は使用せず、添加物無使用の調味料を厳選しておりますので、安心してお召し上がり頂けます。