2021/06/02 19:36

体に脂肪がつきにくい油というキャッチフレーズで売れていたクッキングオイル、なんと関連製品を含めると200億円もの売上でしたが、快進撃中にグリシドール脂肪酸という内容成分に発ガン性の疑いがあり、販売自粛から製造中止となりました。

太りにくい油…もうこれだけでグレーゾーンなんですが、各メディアもイメージ良く手伝って、メタボ対策も後押しして売れたんですね。

食用油の作り方には、「圧搾法」と「抽出法」とその中間の「圧抽法」があります。
一番安全なのは、圧搾法(化学的処理ではなく物理的に押しつぶして取る製法)です。
それから、できるだけ精製しない方が安全ですね。

食用油の精製には、脱ガム―脱酸―脱色―脱臭という行程があり、特に、脱臭には高温で処理するためにトランス脂肪酸(※注)が増える懸念もあります。
たしか、1968年に起きたカネミ油症事件は米糠油の脱臭行程でPCBが混入して80人が死亡、約14,000人に被害があり、いまだに治療の方法が開発されてなく苦しんでいる人達がいます。

食べ物作りは何でも同じですが、良い原料を使用すれば当然良い香りがします。
香りを消す必要がないように、良い原料を使ってほしいものです。

かたや、抽出法とは一次原料にノルマルヘキサン(石油製品)を合わせて効率よく抽出する製法のことです。
ノルマルヘキサンは後で完全に蒸発するから絶対に安全ですと各製油メーカーの方は言いますが、家庭で食べ物を作る時に、石油製品を混ぜて食べ物を作りますか?、と問いたい。
このようなことは、食べ物を作っている感覚ではないように思います。

今回のエコナオイルのような人工合成油にどれだけの歴史があり実証されたのでしょうか。
食品の安全性とは長い年月を経て実証されるものだと思います。

基礎的な食べ物(油・醤油・みそ・酢等)は特に新しい技術は無用と考えますがいかがでしょうか。

※注:トランス脂肪酸とは、プラスチック化された油脂ともいわれ摂取に伴うリスクとしては心臓疾患の発症や認知機能の低下等があるとされています。
今後諸外国のように表示義務化が検討されています。