2021/06/03 19:41

第37回良い食品づくりの会長崎フォーラム無事終了。
ランタンフェスティバルで長崎市内は中国の彩り、坂本龍馬の人気も重なり連日賑わっていました。

さて、毎回のフォーラムで楽しみなのが講演です。
特に今回のフォーラムの講演は農業(生源寺眞一先生)漁業(中田英昭先生)長崎文化(ブライアン・バーフガフニ先生)とバランスのとれた講演でした。
特に中田先生の「海の健康診断―自然力の再生へ」と題した講演は主に内海の話でしたので、瀬戸内海で暮らす一人として興味深く拝聴しました。

「里山と里海」とは中田先生の言葉ですが、山に里山があるように海にも里海があり全国88ヶ所ある内湾(内海)の約半分は人工海岸となり10m位までの浅海はかなりの面積で干拓や埋め立てられた為に干潟がなくなり、海の浄化能力の低下とその地形の変化により潮流も弱くなり海水が停滞して赤潮の原因にもなっているそうです。

そういえば、瀬戸内海も海底の地形が変わる位、海砂を取り、いりこ・いかなご等の減少となっています。

家庭、工場等の排水の浄化で、海はきれいになったのですが、豊かな海にはなってなく、地元の漁師の方が「昔の海はきれいに濁っていたが、今は汚く澄んでいる」と言っているように、昔の有明海は潮流が強く、海水の停滞もなく、きれいに濁った豊かな海だったようです。

現実に魚は減り続けており、東洋一を誇る長崎県魚市場も中国漁船が来なければ魚種が揃わないと聞きました。

今後、日本の沿岸漁業はどうなるのでしょうか…。

一楽照雄先生(有機農業運動の創始者)が「魚は人間が遠くまで追いかけて取るものではなく、魚の方から陸に寄ってくるものだ」と言われてますが、先日我が家の小さな庭に梅を植えましたら、花咲く頃に、朝ウグイスが来ていい鳴き声を聞かせてくれるんです。
あぁ、こういうことなんだと気付かされました。

日本沿岸に魚が来てくれるような宝の海にするには
、お金にならなくても、山・川・海を守った人がいたように、里山と里海を我々一人一人が守り育てる意識が必要ですね。