2021/06/03 19:42

先日、山地牛乳の原乳生産者で循環型山地酪農を40年前から取り組んでいる、高知県の斎藤牧場さんへ見学に行きました。


山地酪農とは、25年ぐらい前に善通寺で開催された斎藤さんの講演で初めて聞いた酪農法です。
当時はまだ自然放牧が理解されなかったようで、斎藤さんは忙しい合間を縫って各地へ出向き、山地の多い日本には一番適した酪農法だと説いていました。

高知県は85%が森林なので、山地酪農には打って付けなんですね。
牧場の広さも「良い食品づくりの会の品質基準」(※1下記参照)に合致していて25haの山地に対して40頭の牛(ホルスタイン種)が暮らしています。


穀物等の濃厚飼料を与えず、草が100%飼料なので人間と穀物を奪い合うことがなく、輸入飼料のポストハーベスト農薬、遺伝子組み換え作物やいろいろな添加物等の害もありません。

搾乳量は年間4000k(平均8000~10000k)と少ないですが、普通の2倍以上も牛が長生きするので、生涯の乳量は変わらないのです。

何より牛にストレスがなく長生きしているのがうれしいですね。

しかし、原乳がいくら良くても殺菌方法で味が変わります。
現在、国内では3通りの殺菌方法があり、一番多いのが超高温殺菌(120~130℃で2~3秒)、次に高温殺菌(72℃で15秒)、少数なのが低温殺菌(62~65℃で30分)です。

もちろん、山地牛乳は低温殺菌、しかもノンホモジナイズ(※2下記参照)ですのでさらっとしていてコクがあるという、原乳に近い風味があり美味しいです。

環境(景色)の良い所で、ゆったりと日向ぼっこしながら悠々と草を食べている牛を見ていると、山地牛乳の美味しさの原点はこれなんだと見学して気付かされました。

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今夏から山地牛乳の美味しさを損なわずに化学合成添加物無使用でソフトクリームを作ります。
また、讃岐の黒大豆100%のソフトクリームも引き続き同時発売予定ですのでよろしくお願い致します


※1 良い食品づくりの会 牛乳の品質基準
・牛が健康で保てる方法で飼育していること。
 必要草地面積は、およそ成牛1頭につき0.5ha(1500坪)以上が望ましい。
 毎日放牧が原則で、冬の積雪期間は整備されたパドック(運動場)で
 日光浴と運動をさせる。
・粗飼料(草)を主とした飼料を与えていること。(粗飼料重量換算70%以上)
・動物性飼料(魚粉を含む)を与えないこと。
・粗飼料(草)は自給が望ましく、濃厚飼料(穀類・糟糠類)には
 ポストハーベスト農薬や遺伝子組み換え作物が混入されていないこと。
・自社農場または契約農場で搾られた牛乳のみを新鮮なうちに充填していること。
・特別の用途を除き62~65℃で30分間もしくは72~75℃で15秒の範囲で
 殺菌すること。(低温殺菌に耐えうる菌数の少ない乳質と衛生的設備であること)
【備考】
牧草という語句は、野草を含まないと定義されることがあるので使用しない。
粗飼料とは、牧草・野草・根菜類・ワラ等をいう。
濃厚飼料とは、穀類・糟糠類・魚粉・肉骨粉等をいう。

※2 ノンホモジナイズ
牛乳に含まれる脂肪球をすり潰して均質化をすることがホモジナイズです。
ノンホモジナイズとは上記のような均質化をしないこと。
ホモジナイズしないことにより原乳に近い自然な風味が残ります。