2021/06/03 19:49
昭和30年代、丸亀市通町に「寿美屋」という当時一世を風靡した伝説のうどん屋さんがありました。
あの頃の通町は丸亀随一の商店街でして、ほぼ中央の一等地に「寿美屋」があり、人通りも多くお店も大繁盛していました。
娯楽と言えばホーライ館という映画館で映画を見て寿美屋でうどんを食べるのがひとつのコースでして、寿美屋のうどんがご馳走でした。
私の母方の里が海産物屋でして、昆布やいりこ等を寿美屋に納めており、昆布は羅臼の一級品、いりこ等も厳選した最高級品のものを使用していたと母から何度も聞かされました。
子供の頃の記憶として寿美屋さんの前を通るとふぁ~とお出汁のいい香りがして、子供心にも幸せな気分になったものですが、最近のうどん屋さんの前に行ってもあの頃のようないい香りがしないのは何故だろう…。
香りのしない原因はやはり魔法の粉とも言われる化学調味料の出現で簡単にしかも安く出汁が作れるようになったこと。
味の素が開発した日本人の一番大好きな昆布の旨味成分であるグルタミン酸ナトリウムは甘い塩とも言われ、体内では塩の働きをするので塩分の過剰摂取になるので注意が必要です。
うどんは塩分が多いので汁は全部飲み干さないように、と注意している人もいますが、飲み干せるミネラル豊富な本物の出汁を作ってほしいものです。
また、化学調味料は塩分の取り過ぎの他にミネラルの微量栄養素の不足とパンチのある画一化された味に慣らされて味覚の麻痺が起こり、日本人独特の繊細な味覚能力は失われ、昆布・いりこ・かつお節等でとった本物の味がわからなくなるのです。
これでは日本食文化の破壊となり料理人からは技術や知恵が萎えてしまいます。
各メディアもうどんと言えば腰の強さとか弾力とか麺にばかり話題がいき、同じ位かそれ以上大切な出汁を取り上げない。
消費者の方々にお願いですが、ご自身の健康と讃岐出汁文化を守り育て伝えていくためにも「お出汁」に関心を持ってください。
最後に出汁に使用している調味料から全て化学調味料無使用のかけうどんをご紹介します。
かけうどん320円は品質からいって安価です。